■ダンス+仲間で、心身の健康

 広場ダンスを踊る中高年の増加は、中国社会の高齢化と密接に関係している。広場ダンス人口は今や、1億2000万人に上るという統計もあり、中国の全人口の1割に相当する。2010年に発表された中国国務院第6回全国人口調査によると、中国の中高年は増え続けており、30年には全人口の4分の1に達すると予測しており、ダンス人口も比例して増え続けるかもしれない。

 北京市に住む厳さんは、60代だ。近所の公園で毎晩、広場ダンスを踊っているという。公園には数百人が集まり、6〜7チームがそれぞれの音楽に合わせてそれぞれのダンスを踊るのだという。同市の王さんも一人暮らしで、週末にならないと子どもたちは顔を見せに来ない。「平日はご近所さんたちと広場ダンスを踊るので孤独を感じない」と、広場ダンスに集うのを楽しみにしている。

 ある都市で実施した調査によると、広場ダンスの参加者のほとんどに何らかの病歴があり、60%の参加者は、広場ダンスは健康の改善に役立っていると感じているという。また、「楽しみながら病気の予防にもなり、医療費の負担が軽減できると認識している」参加者も多数に上ったという。

 広東医科大学(Guangdong Medical University)養老産業研究院の謝培豪(Xie Peihao)院長は、「広場ダンスは中高年の健康面、精神面を支える、便利で手軽な娯楽の主流となっている。政府と地域、家庭がそれぞれ、中高年の需要をかなえる努力をしなければならない」と話している。(c)東方新報/AFPBB News