【12月31日 東方新報】広場舞(広場ダンス)はその名の通り、国民が余暇時間に広場や公園などに集まって思い思いに踊る一種の社会現象だ。そこに、「おばさん」「騒音」などがセットで語られる。広場がなくても、踊るスペースさえ確保できればどこでも舞う。

 なぜ広場ダンスが流行っているのだろうか。中国の著名な民俗学の専門家で、愛知大学(Aichi University)国際交流学部教授でもある周星(Zhou Xing)氏は、広場ダンスの起源を80~90年代に求める。当時、政府が勧めていた農村改革の成功と伝統文化の復興によって、郊外などの農民が現代化を喜んで踊った伝統的な祝いの踊り「秧歌舞」がもとになっていると指摘している。おばさんたちの「娘時代」の中国は、こんな感じだったのだ。

 21世紀に入り、中国の社会経済が発展するのと軌を一にして都市の広場での活動が活発になった。さらに、08年の北京五輪をきっかけに全国的に健康ブームが巻き起こり、広場ダンスが多くの市民に愛されるようになったという。

 周氏は、「広場ダンスは個人の興味や自由が前提で、たくさんの道具を必要としない。特に決まったルールがない『寄せ集め』のようなもので、踊り方、ステップ、姿勢、音楽などは自由で、健康美を追求することもできる」と、広場ダンスが社会問題として注目されるようになった15年当時、語っている。基本的にはみな同じような動きだが、音に合わせて心のままに手足を動かせば良い。踊ることが好きな人が気軽に参加できる、絶好のチャンスだ。