【12月22日 東方新報】農民工と呼ばれる、中国の農村部からの出稼ぎ労働者が中国の労働力の大半を占め、近代化を進める重要な力となっているが、一方で給料の未払いや違法に少ない賃金で雇われるといった問題も後を絶たない。そこで政府は、旧正月である2月の春節には、農民工の人たちが一生懸命働いて得た給料を手に帰郷し、年を越せるよう動き出した。

■中国人力資源・社会保障部「農民工の給与未払いなど『ブラックリスト』へ」

 1日から来年の旧正月まで、農民工の多くが働く建設、加工製造、飲食サービスなどの企業を重点的に検査すると発表。理不尽に上前をはねたり、正当な理由なく給与支払いを滞らせたりした企業は、社会に悪影響を及ぼしたとしてブラックリストに登録される。また、こうした事情により農民工が集団で事件を起こした場合も同様だ。ブラックリストに登録された企業は、政府からの資金援助や融資・ローンなど30項目にわたる制限・制裁が加えられる。

■給与未払い問題は年内の解決求める

 各地の関連部門が国の方針に従って対象企業を検査し、期限を設定して早急に解決するよう厳しく監視することなどを求めている。また、地方政府が投資するプロジェクト現場において給与未払いなどの問題があった場合には、地方政府は今年末までに優先的に支払うよう明記している。また、未払いなどが原因で、監督不行き届きで集団で事件が起こった場合には、関連部門の責任者などの責任が追及されることなども盛り込まれた。

■省政府の対応策も調査対象

 2017~20年まで各省(区、市)の人民政府に設けられる組織が、国務院の指導の下、農民工の給与支払いについての査定を行う。内容は、農民工の給与を保証するための組織と制度、成果。結果が思わしくなかった省政府は、期限付きの改善命令と書面での報告書の提出などが求められる。(c)東方新報/JCM/AFPBB News