【12月19日 AFP】ゼイド・ラアド・アル・フセイン(Zeid Ra'ad Al Hussein)国連人権高等弁務官は18日、AFPのインタビューに応じ、ミャンマー政府がイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)に対する暴力的な攻撃を組織的に計画して大量の避難民を出したのは明らかだと語り、この弾圧は「ジェノサイド(大量虐殺)」である可能性があるとの見方を示した。

 国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は14日、ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で同国軍が8月末に開始したロヒンギャの武装勢力の掃討作戦により、最初の1か月で少なくとも6700人のロヒンギャが殺害されていたと発表した。

 ミャンマー政府はラカイン州で残虐行為をしたとされていることについて一貫して関与を否定し、8月25日にロヒンギャ武装集団が複数の治安施設を襲撃し12人前後の治安部隊員を殺害したことに釣り合った適切な取り締まりだと主張している。

 だがゼイド氏は、2016年の時点ですでに暴力の嵐が吹き荒れて約30万人のロヒンギャがバングラデシュに逃れていたと指摘し、このことはミャンマー政府の主張とは合致しないのではないかとの見方を示した。

 ゼイド氏はジェノサイドが行われたかどうかは法廷が決めると強調したが、「われわれはそれ(ジェノサイド)があったという一つの可能性を排除することはできないと考えている」と述べた。(c)AFP/Nina LARSON