【12月19日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は18日、エルサレムをイスラエルの首都と認定したドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の決定を無効とする決議案を採決したが、米国が拒否権を発動したことにより同決議案は廃案となった。

 エジプトが作成した同決議案は、エルサレム問題をイスラエルとパレスチナ間の「交渉によって解決されるべき」ものであると定め、同市の地位に関する決定はいかなるものも「法的効果や拘束力がなく、無効で撤回されなければならない」と明示。トランプ氏の決定について直接言及はしないものの「最近のイスラエルに関する決定に深い遺憾の意」を表明する内容だった。

 安保理の15理事国のうち、米国の主要同盟国である英国、フランス、イタリア、日本、ウクライナを含む14か国が決議案に賛成しており、エルサレム問題をめぐる米国の孤立が浮き彫りとなった。

 採決で拒否権を発動したニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)米国連大使は、「今日われわれが安保理で目撃したことは侮辱だ。決して忘れられることはない」と同決議案を非難。また、同決議案によって「イスラエル・パレスチナ紛争に対する取り組みにおいて、国連が利益よりも害をもたらすことを示す例がまた一つ増えた」と指摘した。(c)AFP