【10月31日 CNS】中国で14歳のロシア人モデルが体調を崩し、27日に急死した問題で、亡くなったブラダ・ジュバ(Vlada Dzyuba)さんが中国で仕事をする際の中国側受け入れ先となっていたモデル事務所「上海英模文化発展」(ESEE Model Management)が30日夜、上海(Shanghai)で記者会見を開き、詳細を説明すると共に、「過労死ではなかった」と強調した。

 ESEEによると、ジュバさんは23日夜、浙江省(Zhejiang)の義烏市(Yiwu)に到着後、ホテルにチェックイン。翌24日、朝食の後に仕事をこなし、夜に具合が悪いと訴えたことから、マネージャーは翌25日の撮影をキャンセル。すぐに上海へ戻り休ませたが、同日午後6時ごろに上海瑞金医院(Ruijin Hospital)救急救命室に運ばれた。マネージャーがロシア大使館へ連絡すると、翌26日に大使館員と警察が病院へ駆けつけた。ジュバさんの病状は悪化したため集中治療室に運ばれたが、27日午前7時36分、手当のかいなくジュバさんはこの世を去ったという。

 上海瑞金医院が発表した診断結果によると、ジュバさんは「膿毒症」と診断され、死亡診断は「感染性多臓器機能障害症候群、感染性ショック、中枢神経系感染症、横紋筋融解症、電解質障害、播種性血管内凝固症候群」であり、過労に関する症状は見られなかった。

 ESEEの創業者、方燕秋(Fang Yanqiu)氏は記者会見で、ジュバさんは中国で約2か月で16本の仕事をこなしていた。仕事の内容はほとんどがファッションショーで、撮影も多少あったという。休日はきちんと取っており、1日の勤務時間も8時間以内だったという。「そのうち、ステージや撮影の時間は35%ほどで、その他の時間はカメラリハーサルか休憩だった」と話した。

 ジュバさんは保険に入っていなかったため、病院に行けなかったのではないかという海外メディアの報道について、ESEEの鄭屹(Zheng Yi)CEOは、「ESEEは基本的に外国籍モデルが所属している事務所と契約を交わしており、個人契約ではないため、医療保険はモデルの所有権を有する事務所が管理するべきである」としている。また、協定書には外国籍モデルは「国際健康保険に加入してから来中すること」となっているが、ESEEはジュバさんが中国に来る前に国際的に通用する健康保険に加入していたかどうか、確認できていなかったという。

 方氏によると、ESEEには40人以上の外国籍モデルが所属しており、若いモデルは16~18歳。「ジュバさんは事務所で一番若いモデルだった」という。モデル業界では14歳は「駆け出し」で、多くの有名モデルがこの年齢からキャリアを始めていると話す。事務所では今後、外国籍のモデルに対し、健康状態と保険についてもっと厳しく確認を行うとしている。

 また、今週中にジュバさんの母親が上海に到着し、様々な手続きを行うという。(c)CNS/JCM/AFPBB News