■グリーン「勝つ見込みがないことを連中は自覚している」

 言ってみればこれはNBA版の軍拡競争だが、一部のチームに最高のタレントが集中する中、シカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)で6度のチャンピオンに輝いたNBAのレジェンドで、シャーロット・ホーネッツ(Charlotte Hornets)のオーナーでもあるマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏は、こうした争いはお互いの身を滅ぼすだけだと警告している。

 ジョーダン氏は葉巻専門誌「シガーアフィショナード(Cigar Aficionado)」のウェブサイトに掲載されたインタビューで「優勝争いの観点からすると、リーグ全体の側面としては痛い目をみることになるだろう。強豪が1、2チームに限定されれば、あとの28チームは『がらくた』になるか、ビジネス面でも厳しい生存競争に置かれることになる」と述べた。

 2016年、レギュラーシーズン73勝9敗のリーグ記録を作りながら、7戦目までもつれこんだ戦いの末、キャブスの前に涙をのんだウォリアーズは、レギュラーシーズンMVPの経験もあるデュラントをサンダーから引き抜いた結果、プレーオフは16勝1敗の成績で駆け抜けた。

 こうした戦力集中の流れは、ここ最近エスカレートし続けている。きっかけは2010年のレブロンの移籍だ。その年のレブロンはキャブスを去ってマイアミ・ヒート(Miami Heat)へ移籍し、ウェイドとクリス・ボッシュ(Chris Bosh)とともに『ビッグ3』を結成した。そして4年連続でファイナルに進出し、2012年と2013年には連覇を果たした。ジェームズはその後、2014年にキャブスに復帰してアービング、ケビン・ラブ(Kevin Love)と「新ビッグ3」を組んだが、トリオは昨季限りで解散することになった。

 グリーンは「連中が何かしなければとパニックに陥っているところを見るのは気分が悪いが、それが面白いところだ。勝つ見込みがないことを連中は自覚しているんだ」と話している。グリーンのこの発言は、ロケッツのダリル・モリー(Daryl Morey)ゼネラルマネジャー(GM)のコメントを受けたものだった。

 モリーGMはウォリアーズが昨季ファイナルを制したあと、「無敵ではない。スポーツの世界では、これまでもっと大きな番狂わせもあった。われわれはチームを強化し続ける。下馬評が低いのには慣れている。ウォリアーズがさらにチームを強くするなら、われわれもリスクを上げて、もっと積極的に行く必要があるかもしれない。こちらにはまだ奥の手がある」と話していた。

 そしてその言葉通り、ロケッツはジョージとハーデンというNBA最高峰のガード2人がバックコートでタッグを組むことになった。グリーンも「連中は本気で戦略そのものを見直そうとしている」と話している。