【9月30日 AFP】インドネシア・バリ(Bali)島で、アグン山(Mount Agung)の火山活動が活発化していることを受けこれまでに14万4000人以上が避難しているが、当局は30日、危険区域外から避難している住民らに対し帰宅するよう呼び掛けた。

 同島の主要観光地クタ(Kuta)から約75キロに位置するアグン山では、先月から揺れが続き、1963年以来の噴火の恐れが高まっており、8日前には警戒レベルは最高に引き上げられていた。

 しかし当局は、これまでに避難した住民らの数が多くなりすぎたとして、仮設の避難所、友人や親戚の家に避難するのは火口から半径9キロ以内の住民だけでよいと発表した。

 バリ州のマンク・パスティカ (Mangku Pastika)知事は「安全区域の住民らが避難しなければならない理由はない。彼らは負担になるので、自分たちの村に戻ってほしい」と述べた。

 政府によると、アグン山の火山活動の影響を受けるのは半径9キロ以内に暮らす7万人のみで、つまりはこれまでに避難した人々の半数以上が帰宅できることになる。

 災害対策当局のストポ・プルウォ・ヌグロホ(Sutopo Purwo Nugroho)報道官は「避難しなければならないのは27の村の人たちだけだ。残りの人たちは帰宅することができる。自主的に帰っても、政府の支援を受けて帰宅しても構わない」と述べた。

 災害対策当局はアグン山の活動は相変わらず活発だが安定していると述べている。30日の午前0時から午前6時までに観測された揺れは200回未満で、27日と28日に観測された回数よりも若干少なくなっているという。(c)AFP