【9月30日 CNS】中国・広東省(Guangdong)発祥の、「新感覚ドリンク」岩塩チーズティーを出している喜茶(HeyTea)が、上海(Shanghai)と北京(Beijing)に支店を開いた。独特の味が人気を呼び、連日大行列だという。喜茶を味わった人たちがインターネット上で写真やコメントを載せるなどして、ネットでも話題の店となっている。

 記者は22日朝、北京三里屯(Sanlitun)店を訪れた。開店時間は午前10時だが、同8時過ぎにはもう7~8人が並んでいた。開店時間が近づくと、すでに行列は店の前の角を曲がってざっと100人近くに達していた。

 多くは若者で、旅行客やリピーターもいるようだったが、話題だから一度味見してみたいという人が多いようだ。

 たった一杯のお茶のために何時間も並ぶなど、理解できないと思うだろう。付近を清掃している女性は、「週末になるともっと人が多いよ。いつも私の仕事が終わる午後9時になっても、まだ並んでいる人もいる。お茶を買った若い女の子が、写真を撮っているのもよく見るよ。おいしいかどうかは知らないけど」と話す。

 喜茶は、1杯25元(約422円)ほど。「1杯20元(約337円)上乗せでどう?」と、男性が記者に話しかけてきた。もとの価格に20元を上乗せすれば、並ばずに飲めるということだ。つまりダフ屋行為だ。 

 喜茶代理購入のウィーチャット(WeChat)グループまで存在し、メンバーは100人以上、ほとんどが女性だ。このグループでは、配達料は5キロメートルまで16元(約270円)から、並び代行料1時間15元(約253円)で、チップは5元(約84円)から。1日平均200~300元(約3378~5067円)のもうけになるという。単純に計算しても、月に1万元(約16万8900円)近くになる。この店舗だけで20人以上のダフ屋がいるという。一家総出で並んでいる人もいるという。

 喜茶の広報担当者は、「ダフ屋が売り場の秩序を乱している。ひどい場合だと、店先で直接転売している。売れるころには飲みごろをもう過ぎていて、おいしさも半減してしまっている」と話す。

 また、以前までは妊婦は列に並ばずに優先的に購入できるサービスを行っていたが、ダフ屋が妊婦を雇ったり、妊婦を装ったりする女性が現れるなどして、上海と北京ではこのサービスをやめてしまった。

 購入数を1人3杯までに制限したり、警備員を増員したりしてダフ屋行為に対抗しているという。

 ネットで評判の店となった喜茶だが、こんなに長蛇の列ができるなんておかしいし、行列は「サクラ」ではないかと疑っているのだが、これに対して喜茶は「行列は、必ずしもそのブランドにとっていいことではない。好奇心はそそられるかもしれないが、長い時間並べばそれだけ商品に対する期待値も上がり、ハードルも高くなる。好感度にも影響が出る」としている。(c)CNS/JCM/AFPBB News