バスキア、美術館に冷遇されたポップカルチャーの寵児
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■セレブから子どもまで今もバスキアが大好き
ジェイ・Z(Jay Z)、カニエ・ウエスト(Kanye West)、エイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)らのラップにはバスキアが登場する。カナダのR&B歌手、ザ・ウィークエンド(The Weeknd)のトレードマークはバスキア風のドレッドヘアだった。
若きカリスマとして20歳当時のバスキアが本人役で出演した映画『Downtown 81(Downtown 81)』など、彼に関する映画やドキュメンタリーもある。
サジェッセ氏は、「バスキアの存在感は、その死後、美術館ではなく、ポップカルチャーやメディアの中で高められてきたといえるかもしれない」と言う。
バスキアに関する児童書も刊行されている。ジャバカ・ステプトー(Javaka Steptoe)氏が執筆した「輝いた子ども(原著:The Radiant Child)」はバスキアを次世代に紹介するための本だ。
ステプトー氏は「子どもたちはバスキアが大好き。彼が描く絵と子どもの絵は似ているから」と語る。「バスキアは子どもたちにとって、ありのままの自分でいることを認めてくれる存在なのです」
前出のホルマン氏は、バスキアは美術界だけでなく、ストリートアートやファッションにも変革を起こしたと語る。
「彼はこの街(ニューヨーク)の大勢の若者たち、特に非白人の若者たちに、自分だって立派なアーティストなのかもしれないと信じる自由を与えました」
「アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)が僕の世代のヒーローだったように、バスキアは現代の若者たちのヒーローなんです」(c)AFP/Thomas URBAIN