【8月1日 AFP】10代の少女の自殺を描いたドラマ「13の理由(13 Reasons Why)」が米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)で公開されてから数週間にわたり、インターネットでの自殺や自殺方法の検索件数が急増したとする調査結果が7月31日、米研究チームによって発表された。

 米国医師会雑誌(Journal of the American Medical AssociationJAMA)インターナル・メディシン(Internal Medicine)に掲載された調査結果によると、同作品の配信後に実際の自殺件数が増加したかどうかは調べられていないが、安全対策が取られるまではネットフリックスから同シリーズを取り下げるべきだとの声が専門家の間で上がっている。

 調査では、作品配信後の自殺関連の検索件数が、通常考えられるよりも19%高かったことが分かった。

 共同執筆者である米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)のマーク・ドレッゼ(Mark Dredze)教授(コンピューターサイエンス)は、「シリーズ公開後19日間の自殺関連の検索件数は、通常考えられるよりも90万~150万件多かった」と語っている。

 同時期、「自殺ホットライン」といった自殺対策に関するワードの検索件数は同12%増、「自殺防止」は同23%増となった。

■物議を醸す番組

 このドラマでは、自殺した女子学生が残したカセットテープ7本を同級生が1本ずつ再生しながらストーリーが展開する。テープには、生前の少女の声が録音されており、ファンらは、この悩み多き十代若者の等身大の描写を称賛している。

 しかしその一方で、自殺の恐れのある人々に対してその防止に役立つ情報の入手先が十分に紹介されておらず、さらに最終話では自殺を生々しく詳細に描いているとしてこの作品に批判的な声もある。

 研究では、同シリーズが配信された3月31日から、4月18日までの19日間、米国内で検索されたキーワードの傾向をグーグル(Google)トレンドのデータを用いて分析。番組公開前の今年1月から3月までの傾向も調べた。