【7月28日 AFP】バングラデシュで27日、麻薬中毒の父親に売り飛ばされた生後10か月の女児が、裁判所の命令で実の母親の元に返された。

 ヌスラット・ジャハン(Nusrat Jahan)さん(20)は今年4月、娘がいなくなったことに夫が関わっていると疑い、訴訟を起こしていた。このほど南部チッタゴン(Chittagong)の裁判所が、母親の承諾なしに女児が連れ去られ子のない里親夫婦に売られたと認め、女児はジャハンさんに返された。

 AFPの取材に応じたジャハンさんは、「娘を取り戻せて本当にうれしい」「あの子が私の膝の上から奪われて、この数か月間は全く眠れなかった」と語った。

 ジャハンさんの夫は、チッタゴンのハリシャハール(Halishahar)地区にある自宅から女児をひそかに連れ出した疑いで身柄を拘束されており、幼児の略取誘拐と人身売買の容疑で訴追される見通し。夫はメタンフェタミン(結晶状覚せい剤)中毒だという。

 裁判所の書記官によると、女児は里親の元で大事に育てられており、ジャハンさんに引き渡される際も養母から離れたがらず泣いたという。ジャハンさんは、養父母にいつでも娘に会いに来てほしいと申し出たという。(c)AFP