【7月22日 AFP】第17回世界水泳選手権(17th FINA World Championships)の競泳男子400メートル自由形決勝を23日に控え、オーストラリアのマック・ホートン(Mack Horton)が21日、中国のスーパースターである孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)に対して新たな宣戦布告を行った。

 ホートンは自身が同種目の金メダルに輝いた2016年のリオデジャネイロ五輪で、孫を「薬物違反者」と呼び捨てていた。対する孫は、意図的に自分を怒らせるための「小細工」だと反発していた。

 400メートルと800メートルの自由形で世界水泳のタイトルを獲得している孫自身は、心臓の処方薬に含まれていたとされる禁止薬物を摂取したとして、2014年に3か月間の出場禁止処分を受けており、ホートンの発言はこの問題を皮肉ったものだった。

 ハンガリー・ブダペスト(Budapest)で開催されている世界水泳は、両者にとって「第二次水中戦争」の様相を呈しており、23日に行われる400メートル自由形の決勝で二人は激突するとみられている。

 ホートンは21日の記者会見で、孫とのライバル対決を楽しみにしているか問われると、「ライバル対決かどうか分からない。これは強豪アスリートと、薬物に陽性反応を示したアスリートの対決であり、良いレースになるだろう。結果がどうなるか見守る必要があるけれど、表彰台では自分が彼を見下ろしてやりたいね」と容赦ない言葉を浴びせた。

 2012年からリオ五輪でホートンに敗れるまで、400メートル自由形ではライバルを寄せ付けなかった孫は、今年に入って同種目でその強さを発揮。両選手は200メートルに加え、800メートルと1500メートルでも直接対決の期待が高まっている。

 ホートンはリオ五輪の練習プールで意図的に孫を無視した際、報道陣に対して「薬物違反者に関わっている時間はない」とコメント。この発言はソーシャルメディアで批判を浴びたが、何も後悔していないと強調していた。

 そして今大会でもホートンは、「どうなるか分かっていても、また同じことを言うだろう。そのことで事態が変わることはない」と語った。(c)AFP