【7月8日 CNS】1年前の6月30日、中国・雲南(Yunnan)省文山(Wenshan)州富寧(Funing)県の田舎町で、劉さんという男性が川で溺れていた小猿を助け出した。それから1年。小猿は命の恩人から片時も離れることなく、村の住民たちともすっかり仲良くなってしまった。小猿はすっかりこの村の住民を好きになってしまった。地元警察は何度かこの小猿を野生に帰そうと努力したものの、戻ろうとする素振りを全く見せないという。

 警察官が最近になって、村を訪問すると、宝宝(Baobao)と名づけられた小猿は、劉さんの妻の丁さんと一緒に川辺に遊びに行っていた。警察官が川辺へ行ってみると、宝宝は村の人たちと楽しく水遊びをしているところだった。

 宝宝は警察官に気づくと、水遊びを止めて岸辺まで挨拶をしにやってきて、警察官の体にしがみついて食べ物を要求したり、石の上に寝そべって甘えた姿を見せたりした。

 丁さんによると、宝宝は1年前よりもずいぶん大きくなり、毎日住民たちと一緒に過ごし、夜には必ず牛乳を1本飲んでから眠りにつくという。村人たちにすっかり慣れた宝宝は、しょっちゅう近所の家に顔を出してあいさつしに行くようになり、そんな姿に住民たちは親しみを込めて「劉五妹」(劉さんのところの5番目の娘)という愛称で呼ぶようになった。

 今ではすっかり劉さん家族の一員になってしまった宝宝だが、警察は保護当初から何度も自然に帰そうと試みた。しかし嫌がって警察から逃げ回り、その度に「母親」の丁さんのもとに帰ってしまい家から離れたがらない。地元警察はもうしばらくの間、劉さんにこの小猿の面倒をみてもらうことにして、改めて雲南省野生動物収容救助センターへ送り届けるつもりだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News