【7月1日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するマクラーレン(McLaren)で、チームを37年間率いてきたロン・デニス(Ron Dennis)前最高経営責任者(CEO)が30日、会長職を退くとともに保有していた25パーセントの株式を売却し、チームとの関係に終止符を打つと発表した。

 現在70歳のデニス氏は、主要株主との確執が修復不可能となった昨年11月から「ガーデニング休暇中」の立場に置かれており、チームを離脱する動きは予想されていた。

 残りのマクラーレンの株式は、バーレーンの投資ファンドが50パーセント、デニス氏の長年のビジネスパートナーだったマンスール・オジェ(Mansour Ojjeh)氏が残りの25パーセントを保有している。

 ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)やアイルトン・セナ(Ayrton Senna)氏をタイトル獲得に導いたデニス氏は、今回の合意で別の関心事に集中できることを歓迎しており、「マクラーレンのほかの株主と合意に至ったことを大変うれしく思う」と語った。

「これは私にとってマクラーレンでの最後にふさわしい形であり、これで別の仕事に集中することができる。本拠地の英ウォーキング(Woking)での37年間は、マクラーレンという書籍において一つの章として認められるべきものだ。マクラーレンが物語を進めていく上で成功することを願っている」

 デニス氏は昨年11月、中国のコンソーシアムから20億ドル(約2180億円)を調達して買収案を提示したが株主側に受け入れられず、それ以降は閑職に追い込まれていた。

 当初は密接だったデニス氏とオジェ氏の関係は少し前から崩壊しており、オジェ氏がバーレーンの投資ファンドと組むなかで、デニス氏の復帰を模索する動きは岐路に立たされていた。

 デニス氏の離脱が決定したマクラーレンは現在、チーム史上最悪の低迷期が続いており、同氏の指揮下で毎年のようにドライバーズ選手権とコンストラクターズのタイトルを獲得していた時代とは対照的な状況に陥っている。

 5年近くも優勝から遠ざかっているマクラーレンは、25日に行われた第8戦アゼルバイジャンGP(Azerbaijan Grand Prix 2017)決勝でフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)がチームに今季初ポイントをもたらしたものの、コンストラクターズ部門のランキングでは最下位に沈んでいる。(c)AFP