【11月16日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するマクラーレン・ホンダ(McLaren-Honda)を35年間率いてきたロン・デニス(Ron Dennis)最高経営責任者(CEO)が15日、対立する株主からグループの会長及びCEOの座を解任されたことが明らかになった。

 ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)やアイルトン・セナ(Ayrton Senna)氏をタイトル獲得に導いた69歳のデニス氏は、15日に行われた株主総会で自身の解任を求められ、退陣を余儀なくされた。

 報道によると、中国のコンソーシアムから20億ドル(約2180億円)を調達したデニス氏が買収案を提示したが、株主側に受け入れられなかったことで両者の間に亀裂が生じたという。デニス氏はその後、英ロンドン(London)の高等法院に取締役会刷新の差し止め命令を求めていたが却下されていた。

 デニス氏は声明を発表し、「マクラーレン・テクノロジー・グループ(MTG)の会長およびCEOとしての職務を放棄する」ことを求められたと明かし、経営陣の一部からは今回の決定により生じる影響について警告があったものの、主要株主によって「押し通された」と話している。

 デニス氏はまた、「彼らが述べた根拠は、まったくの誤りだ」として、解任は不当だと主張しており、「私の経営スタイルは常に変わらず、マクラーレンをF1の舞台で成功を収めた自動車・テクノロジー企業に導き、年8億5000万ポンド(約1154億円)を稼ぐビジネスに成長することを可能にしたものだ」と語っている。

 マクラーレンの株式25パーセントを保有するデニス氏は、同社から完全に手を引くことは否定し、従業員の繁栄に注意していくという。マクラーレンの株式は現在、バーレーンの投資ファンドが50パーセント、デニス氏の長年のビジネスパートナーだったマンスール・オジェ(Mansour Ojjeh)氏が残りの25パーセントを保有している。

 デニス氏は「一番の不安は、私が築き上げてきた会社と3500人の従業員だ。今後もマクラーレンの利益と価値を保護し、未来をつくっていくために、両社の持ち株と両取締役の立場を利用していく」と述べた。(c)AFP