【6月17日 AFP】 国際オリンピック委員会(IOC)は16日、1976年から五輪を支援し続けてきた米ファストフード大手マクドナルド(McDonald’s)とのスポンサー契約を終了すると発表した。

 モントリオール(Montreal)での夏季大会から五輪を支援してきたマクドナルドは、IOCとの契約を即時に打ち切るとしているが、2018年開催の平昌冬季五輪に限ってスポンサー契約を継続するという。

 IOCは声明で、「IOCとマクドナルドは、世界規模のパートナーシップを終えることを双方が合意した」と発表している。

 契約期間を3年残して五輪とのつながりをたったマクドナルドは、コカ・コーラ(Coca-Cola)、ビザ(Visa)、ブリヂストン(Bridgestone)、パナソニック(Panasonic)、トヨタ自動車(Toyota Motor)、オメガ(OMEGA)などと並んで最高位スポンサーである「TOP(The Olympic Partner)」プログラムに参加していた。

 IOCは今回の離別に至った理由として、「めまぐるしく変わる経済環境において、マクドナルドはこれまでとは異なるビジネスの優先事項に注力することになったと理解している」と明かしている。

 1968年のグルノーブル冬季大会で五輪に関心を持ったマクドナルドは、1976年のモントリオール夏季大会で初めて正式スポンサーに加わり、1997年から最高位のTOPプログラムに参加していた。

 マクドナルドはグルノーブル大会で、「米国の食事が食べられずホームシックになった」代表選手にハンバーガーを「空輸」したことをきっかけに、五輪を支援するようになったとウェブサイトで明かしている。

 数十年にわたってIOCに何億ドルもの現金を注ぎ込んできたマクドナルドは、五輪の選手村にとってなくてはならない存在となった。

 2016年のリオデジャネイロ五輪でマクドナルドは、アスリートに無料で食事を提供し、店舗には日の出から日没まで長蛇の列ができた。

 IOCは「マクドナルドは韓国国内に限定した協賛企業として2018年の平昌五輪でもスポンサーを継続する。同社は五輪公園や選手村内でレストラン運営などを行う予定だ」と発表し、来年の五輪がマクドナルドがオリンピックムーブメントに関与する最後の機会になると明かした。

 なお、IOCは「当面は外食小売りのカテゴリーで代替のスポンサー企業と契約する計画はない」としている。(c)AFP