【6月10日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は9日、スイス・ローザンヌ(Lausanne)で理事会を開き、2024年と28年の夏季五輪開催都市の同時決定を提言した。これにより、立候補しているフランス・パリ(Paris)と米ロサンゼルス(Los Angeles)の両都市が、五輪を開催することが事実上確定した。

 この方針は来月11日に行われるIOC委員による投票が行われるまで正式なものではないが、理事会の提言は追認される見通しとなっている。承認された後、9月にペルー・リマ(Lima)で開催される総会で、24年と28年の開催地が選出されることになる。

 IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は、今回の提案が「満場一致」で承認されたと明かし、24年大会を二つの「素晴らしい都市」が争う「貴重な機会」を手にする中で、どちらかの都市を退けることはしたくなかったとしている。

 バッハ会長は、同時決定が承認された場合にはリマでの総会を前に両都市とIOCによる「3者間での合意」を取り付けたいと話している。

 パリとロサンゼルスはこれまで、ともに24年の開催を争うとしていたため、両都市が合意に至ることができるのかが問題となる。

 パリは強硬路線を敷いており、招致委員会のトニー・エスタンゲ(Tony Estangue)副委員長は「28年はまったく検討できない」としている。

 一方でロサンゼルスは協定を受け入れる姿勢をみせており、招致委員会のケーシー・ワッサーマン(Casey Wasserman)委員長は今週に入り、「LA 2024はロサンゼルス、あるいは2024年に限ったものではない」と語っている。

 ロサンゼルス側が28年大会の開催を要求されるのではないかと臆測が流れる中でバッハ会長はまた、両都市は何ら譲歩しておらず、「24年開催へのレースは続く」と付け加えている。(c)AFP