【7月2日 AFP】世界でも有数の混雑海域である香港のビクトリアハーバー(Victoria Harbour)で、毎朝水泳をする高齢者たちがいる。ひっきりなしに通るフェリーや貨物船、漁船が起こす波で荒れた海に、彼らは果敢に飛び込んでいく。

 ラウ・サムラン(Lau Sam-lan)さん(74)は約30年間、毎朝このビーチで泳いでいる常連の一人だ。

「水泳をすると健康になった気がするし、リラックスできる」と、着用したゴーグルを頭の上にずらしながらラウさんは言う。

 港周辺には、20世紀半ば頃は水泳をする人のための小屋が数多くあったが、海の汚染が悪化し、塩素消毒された公共プールが増えた影響で廃れてしまった。唯一残っているのは、「西湾(Sai Wan)水泳小屋」と呼ばれる、簡素な更衣室とシャワーが備え付けられた小屋だけだ。

 西湾小屋を利用する人たちは毎月150香港ドル(約2100円)を払う。80人ほどいるメンバーは皆付き合いも深く、最年少のメンバーは50代だという。(c)AFP/Laura MANNERING