■「カタールは不安に陥ることになる」

 カタールのW杯開催に疑問が持ち上がる可能性や、他にもひそかに開催に名乗りを上げられる国があるという実情をふまえると、専門家はカタールの組織委員会が不安を抱えることになるかもしれないとして、「これから代替国が出てくることを知れば、カタールは不安に陥ることになるだろう」と語った。

 これに先立ち、2022年大会の招致活動でカタールに敗れた国の一つである米国が、必要な場合は代替国となり得る可能性が示された。今回の外交問題が勃発したのは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がサウジアラビアを訪問し、過激派組織に対抗するため同国やイスラム諸国に対して連帯を呼び掛けたわずか数週間後のことだった。

 FIFAはAFPに宛てた短い声明文で、2022年カタール大会の組織委員会と「定期的に連絡を取っている」とし、「現在のところ、これ以上のコメントは差し控える」と述べるにとどまった。

 一方、スポーツ界ではすでに影響が出始めている。サウジアラビアのサッカークラブ、アル・アハリ(Al-Ahli Saudi SC)は、国交断絶が発表されたわずか数時間後にカタール航空(Qatar Airways)との契約を打ち切る意向を示し、ツイッター(Twitter)上で「当クラブとカタール航空とのスポンサー契約を終了する」と表明した。

 2014年10月にアル・アハリが締結したカタール航空との推定年間1600万ドル(約17億6000万円)の3年契約は、今年5月に更新されたばかりだった。(c)AFP/David Harding