【5月4日 AFP】「世界で最も重い女性」とされ、インドで減量のために大手術を受けていたエジプト人女性が4日退院し、今後治療が継続されるアラブ首長国連邦(UAE)へ向かった。医師らが明らかにした。

 エマン・アフメド・アブド・エル・アティ(Eman Ahmed Abd El Aty)さんは今年2月、インド・ムンバイ(Mumbai)の病院に入院した際、体重が約500キロあった。だが、液体栄養剤のみの特別食で過ごし、一定の減量を達成した後、腹腔(ふくくう)鏡下スリーブ状胃切除術を受けて、323キロという驚異的な減量に成功。現在の体重は176.6キロになったという。

 ムンバイの主治医らの話では、アブド・エル・アティさんはこれからUAEのアブダビ(Abu Dhabi)の病院で、1年間理学療法を受けるという。

 アブド・エル・アティさんは、エアバス(Airbus)の特別機でムンバイにやって来るまでの20年間、エジプトの港湾都市アレクサンドリア(Alexandria)の自宅から出たことがなかった。

 家族によると、アブド・エル・アティさんは幼少期に四肢などの体の部位が肥大化する象皮病と診断され、その症状のせいでほぼ動けなくなったという。

 アブド・エル・アティさんは脳卒中を患った上、体重過多が原因の糖尿病や高血圧症、睡眠障害といったさまざまな病気に悩まされてきた。はっきりとした発話もままならず、体の一部にまひも出ていた。

 インドでは、質の高い医療を欧米諸国に比べて格安で受けられ、しかも治療開始までの順番待ちもないとして、外国から多くの患者が訪れている。

 また、肥満が特に都市部で急激に問題化しており、胃の縮小手術も徐々に一般化してきているという。(c)AFP