【4月27日 AFP】「世界で最も重い女性」がインドの病院で手術などの治療を受け、500キロあった体重の半減に成功したとの発表をめぐり、女性の姉妹が「うそ」だと主張して物議を醸している。病院側は25日、姉妹の主張こそ「でたらめ」だと強く抗議した。

 渦中の女性は、エジプト人のエマン・アフメド・アブド・エル・アティ(Eman Ahmed Abd El Aty)さん(37)。インド・ムンバイ(Mumbai)のサイフィー病院(Saifee Hospital)が先週、見るからに以前よりも痩せたアブド・エル・アティさんがベッドの上に上半身を起こして笑顔で音楽を聴いている動画を公開し、3月に行った肥満症治療手術の成果だと発表していた。

 病院の声明によれば、アブド・エル・アティさんは250キロの減量に成功したとされている。

 しかし、アブド・エル・アティさんの姉妹のシャイマー・セリム(Shaimaa Selim)さんは、交流サイトのフェイスブック(Facebook)に投稿した動画で、病院側はうそをついていると非難。アブド・エル・アティさんの体重は250キロも減っていないと主張した。セリムさんの主張は25日、インド国内で広く報じられた。

 これに対し、治療を担当するムファザル・ラクダワラ(Muffazal Lakdawala)医師は、AFPの取材に「エマンの今日の体重は171キロだ」と述べ、セリムさんの主張は「完全なでたらめ」だと反論した。

 ラクダワラ医師はさらに「動画はうそをつかない。つけるはずもない」と主張。セリムさんが不満を表明したのは、アブド・エル・アティさんはインドでなら無料で治療を受けられるが、間もなく退院してエジプトに帰国できると医師団が提案したためだとの見方を示した。

 家族によると、アブド・エル・アティさんは子どものころ四肢などの体の部位が肥大化する象皮病と診断され、病状の進行とともにほぼ動けない体になった。今年2月に治療のため特別機でムンバイに来るまで20年間、アレクサンドリア(Alexandria)の自宅から出ることがなかったという。(c)AFP