【5月1日 AFP】米大リーグ(MLB)のマイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)は4月30日、将来の野球殿堂(Baseball Hall of Fame)入りも有望視されるイチロー(Ichiro Suzuki)のメジャー通算3000安打を祝福するセレモニーを行った。

 マーリンズを率いるドン・マッティングリー(Don Mattingly)監督は、昨年に史上30人目となるメジャー通算3000本安打を達成した43歳のイチローについて、「とにかく彼が日々準備する姿勢に尽きる。毎日フィールドに出てはボールを投げ、練習し、ストレッチをする。継続した動きなんだ。一度として止まることがない」と飽くなき姿勢を称賛した。

「多くの選手はそうしたルーティンに疲れて抜け出してしまうが、彼はそれを毎日行い、常に準備ができているようにみえる。見入ってしまうよ」

 マーリンズは当初、昨年9月25日にイチローの快挙を祝う予定を組んでいたが、同日にホセ・フェルナンデス(Jose Fernandez)投手がボート事故で亡くなったことを受けてキャンセルされていた。

 この日行われたピッツバーグ・パイレーツ(Pittsburgh Pirates)との試合前には、全3000安打をとらえた写真をコラージュされたパネルが贈呈された。マーリンズのデイビッド・サムソン(David Samson)球団社長は、この時のイチローの反応について「彼があれほど感情的になる姿を見たことがなかった」とした上で、「1本目から3000本目までというその大きさを目の当たりにした時、それがどれだけ多くの安打だったかということが、彼の脳裏に浮かんだのだと思う」と述べた。

 この日の式典では日本が誇る本塁打王、王貞治(Sadaharu Oh)氏からもビデオメッセージが贈られ、それを目にしたイチローは映像が映し出されたスコアボードに向かって頭を下げた。

 サムソン球団社長はまた「セレモニー全体のハイライトは、彼が王氏にお辞儀をした瞬間だと思った。自身の偉業の重要性に加え、ほんの一握りの選手にしかそれができないこと、そして世界中で自分がどれだけ愛されているのかを理解し始めたんだと思う」とコメントしている。

 マーリンズで3年目のシーズンを送っているイチローは4月30日現在、メジャーで歴代25位となる通算3034安打、渡米前の日本プロ野球(NPB)では通算1278安打を放っている。(c)AFP