【4月23日 AFP】アフガニスタン北部マザリシャリフ(Mazar-i-Sharif)近郊の陸軍基地が21日に旧支配勢力タリバン(Taliban)から襲撃された事件で、同国陸軍筋は22日、約150人が死亡し、負傷者は数十人に上ったと明らかにした。

 アフガン国防省は死傷者の内訳は明らかにしていないものの、大半は訓練中の若い新兵だったという。同省は、死者数は変わる可能性があるとしており、調査の完了を待って詳しい情報を発表する方針だ。

 病院でけがの手当てを受けた陸軍将校は「(襲撃犯は)機関銃を搭載した軍のトラック2台で敷地に侵入し、相手かまわず発砲した。それからモスク(イスラム教の礼拝所)と食堂に入り、ひとり残らず無差別に殺害した」と説明した。

 手と腹部を負傷した19歳の兵士は、収容先の病院でAFPの取材に応じ、「(襲撃犯の)リーダー格の男がやって来て『頭を狙え』と大声で指示した。ぼくは急いで窓から逃げたが友人は殺された」と語った。

 襲撃犯らはアフガン国軍の制服を着ていたとの目撃証言がある。生存者のうち少なくとも1人はAFPに対し、基地内部の人間が犯行に協力した可能性があると語った。

 タリバンは事件当日の21日遅くに犯行声明を出し、襲撃犯のうち2人は現場で自爆したと主張したが、国防省は襲撃犯を全員射殺したとしている。

 アフガニスタンでは毎年春にタリバンが攻勢を強める。今回の襲撃事件で同国の情勢不安が浮き彫りになった。(c)AFP/Hamid FAHIM