天津は今回のコレクションのテーマを、新しく、より美しいものを作り出すために素材を組み合わせる「combine」だと語った。

 天津によれば、黒柿の木はとても硬く、「ミシンの針が入っても割れない」。そのため、厚さ0.14ミリにまで薄くしてから、生地に貼り付けて強度を出したという。彼はそれをチョウ柄のレースに切り抜いていった。天津は一連の工程を通して、鉛筆の削りくず、あるいは木の皮のような、木の色を保つことに注意を払った。ショーでは、同じ素材で作られたベルトと印象的なバッグも披露された。

 そのインスピレーションは世界から得ていると、天津は語る。「いつも映画や音楽、建築などいろいろなものを見ながら、面白ければデザインに落とし込んでいる」

■繊維産業が盛んな大阪を拠点

 52人のデザイナーが新作を発表したこの東京ファッション・ウィークで、革新的な素材は木だけではなかった。

 レディー・ガガ(Lady Gaga)に何度も衣装提供したことで有名な「ロギーケイ(ROGGYKEI)」は興梠仁(Hitoshi Korogi)と景子(Keiko)のデザイナー夫妻が手掛けるブランドで、繊維産業が盛んな大阪を拠点としている。