【3月23日 AFP】(更新)ゆったりしたフィット感の控えめなデザインと、スポーティーなモノトーンのミニマリズムの融合──新進気鋭のインドネシア人デザイナー、ラニ・ハッタ(Rani Hatta)が手掛けるムスリムスタイル「ラニ ハッタ(RANI HATTA)」の独創的なコレクションだ。

 女性モデルたちはヒジャブ(イスラム教徒の女性が頭部を覆うスカーフ)の代わりに、きつめのフードの上にベースボールキャップをかぶって髪を隠し、スタイリッシュなタートルネックでランウエーを歩く。ハッタは、イスラム教の教えに忠実でありながらファッション性が高く、イスラム教徒ではない人々にも魅力的に映るスタイルを目指している。

「私はインドネシア人だから、ムスリム用の服を作る」と、ハッタは17/18年秋冬「アマゾン ファッション・ウィーク 東京(Amazon Fashion Week TOKYO)」で新作を発表した後に語った。「でも私のデザインはとても普遍的なので、誰でも着ることができる」

 ハッタのコンテンポラリーなスタイルを象徴しているのが、彼女のデザインを特徴づける直線的なカッティングと、トップスに施された赤く太いひもだ。ブラックやホワイト、グレーがほとんどの彼女のコレクションの中で、この巨大な縫い目のようなひもは目を引く。

 素材には主に綿とポリエステル、不織布を使い、伝統的なムスリムファッションとは一線を画しつつも、ルーズフィットなパンツとロングベストで控えめなスタイルを保っている。

 ハッタは、宗教的な制限のためにおしゃれができないことはないと語る。彼女によれば、特にインドネシアの若いムスリムたちは、流行のファッションを試しながらも、信仰を守れる道を模索しているという。

「控えめな服でも、とても格好良くて普遍的なスタイルになれることを世界に示したい」とハッタは言う。「私の国では、若い世代がヒジャブは時代遅れだと考え、かぶりたがらない。だから、彼らがヒジャブの着用を誇りと思えるようなものをデザインした」