【2月19日 AFP】紛争状態が続くコンゴ民主共和国東部で、ナンデ(Nande)人の民兵組織がフツ(Hutu)人の村を襲撃し住民25人を殺害した。地元当局らが18日、明らかにした。被害者はほぼ全員がなたで首を斬られていたという。

 北キブ(North Kivu)州で知事代理人を務めるフランシス・バクンダカボ(Francis Bakundakabo)氏がAFPに語ったところによると、キャグハラ(Kyaghala)村および周辺で18日、計25人がナンデ人らの民兵組織「マイマイ・マゼンべ(Mai-Mai Mazembe)」に斬首されるなどして殺害された。犠牲者は全員がフツ系住民で、18日の午前4時から8時にかけて襲われたという。

 襲撃後の現場を確認したという地元市民団体の活動家ホープ・クブヤ(Hope Kubuya)氏は、犠牲者のうち24人はなたで殺害され、女性1人は銃で射殺されていたと語った。

「マイマイ」は自衛を旗印にナンデ人、フンデ(Hunde)人、コボ(Kobo)人で構成された民兵組織で、主にフツ人から成るニャトゥル(Nyaturu)語系民族と対立している。

 コンゴ民主共和国のナンデ人、フンデ人、コボ人の多くがフツ人をよそ者とみなすなか、農耕民族のフツ人たちは地価の高騰や地主からの圧力によって南部から北部への移住を余儀なくされており、これが両者間の緊張に拍車をかけている。

 コンゴ東部は20年以上にわたって紛争状態にあるが、同様に北キブ州も中部でナンデ人とフツ人の民兵組織による互いの村の襲撃が繰り返され、両者間の緊張は1年以上前から悪化の一途をたどっている。

 コンゴでは総選挙が年内に予定されており、国際社会はコンゴ政府と民兵勢力に対し暗礁に乗り上げたままの和平交渉を早期に再開するよう求めている。(c)AFP