【1月24日 AFP】メキシコのエンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領は23日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)新大統領が就任した米国との関係再交渉に当たり、「対立も服従もしない」と言明した。

 ペニャニエト大統領は、トランプ氏との関係戦略を説明する演説の中で、両国間の貿易や不法入国といった問題について話し合う用意があるとしつつも、メキシコの国益は守ると強調。「対立も服従もしない。解決策は対話と交渉にある」と語った。

 トランプ氏は、米国内の雇用を守るためには諸外国との貿易協定を破棄する構えも示しており、23日にはバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領が推進してきた環太平洋連携協定(TPP)からの離脱に関する大統領令に署名した。

 ペニャニエト氏はこれを受け、メキシコの貿易利益を守るため、他のTPP加盟国と個別に新たな2国間協定について協議していきたいという意向を示した。

 また、メキシコ人の不法入国を阻止するため国境に壁を建造するというトランプ氏の公約については疑義を呈し、「メキシコはいかなる主権国家に対しても自国の安全保障の権利を認めるとはいえ、わが国が信じるのは壁ではなく、懸け橋だ」と述べた。(c)AFP