【1月17日 AFP】リトアニア政府は16日、同国南西部と隣接するロシアの飛び地カリーニングラード(Kaliningrad)との国境沿いに、欧州連合(EU)からの資金を用いてフェンスを建設する計画を明らかにした。ロシアはカーリングラードでの軍事力増強を進めており、今回の計画は安全保障の強化および密輸の阻止が目的だという。

 リトアニアを含むバルト諸国は、同じくEUおよび北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドとの間に位置するカーリングラードについて、ロシアによる軍事増強への懸念をたびたび表明していた。

 エイムティス・ミシューナス(Eimutis Misiunas)内相がAFPに明かしたところによると、130キロに及ぶフェンスの建設は今春に開始され、年末までには完成する予定だという。

 ミシューナス内相はフェンス建設について、「密輸を防止するという経済的な理由と、EU外に位置する国境を強固にするという地政学的な理由」の2つを挙げ、「戦車を止めることはできないが、(人が)乗り越えるのは困難だ」とし、フェンスの意義を強調した。

 高さ2メートルのフェンスの建設にはおよそ3000万ユーロ(約36億円)の費用が見込まれるが、その多くがEUからの資金援助によるものだという。(c)AFP