【1月1日 AFP】ウサギの繊細な頭蓋骨をたたき割り、音を立てて中身をすする飲食客たち。中国のある地方では非常に人気の高い料理で、材料をフランスから輸入しなければならないほどだ。

 香辛料の利いたピリッと辛い郷土料理で有名な四川(Sichuan)省。好んで食べられる素材の一つにウサギの脳みそがある。省都・成都(Chengdu)では、夜食としてよく食べられている。

 成都の中心部にある有名飲食店「双流老媽兎頭(Shuangliu Laoma Tutou)」では、手袋をした数十人の客たちがソースのかかったウサギの頭蓋骨を割り、感嘆の声を漏らしながら脳みそをすすったり、頬にかぶりついたりしていた。友人たちと食事をしていた20代の女性は「四川省の人たちは毎日辛い料理を食べないと満足できない」と語った。

 中国の美食家らが珍味としているアヒルのくちばしやニワトリの足や頭、内臓といった動物の部位は、欧米人には敬遠されることが多い。しかしウサギの肉は中国国内でもあまり人気がなく、ましてやその頭となれば食べる人はもっといない。そうした中、山脈によって長年隔離されてきた四川省では、ウサギの頭は圧倒的によく食べられている。