【12月27日 AFP】テニスの2016年シーズンは、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)から、それぞれ王座を奪ったアンディ・マレー(Andy Murray、英国)とアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)の活躍が目立った一方、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)やラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、マリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)にとっては、キャリアを再建する時間になった。

 全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2016)と全仏オープン(French Open 2016)決勝ではジョコビッチの前に苦杯をなめたマレーだったが、シーズン後半に入ると猛烈な逆襲をみせた。ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)で自身2回目の栄冠に輝いた29歳は、続くリオデジャネイロ五輪でも2大会連続の金メダルを獲得。ついにジョコビッチを世界1位から引きずり下ろすと、シーズン終了まで25連勝を記録して5大会連続優勝を飾った。

 ATPワールドツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2016)決勝で好敵手ジョコビッチを破り、シーズン終了を世界1位で迎えたマレーは、「頂点にたどり着くには、ものすごい労力を要したが、来年また同じことをやるのは非常に難しくなる。30代中盤にかけて、今のレベルでプレーするのは不可能だ。若い選手たちも成長してきている」と語った。

 ウィンブルドン直前にイワン・レンドル(Ivan Lendl)氏と再タッグを結成した決断と、2016年後半における絶対的なパフォーマンスの関係性は偶然ではない。

 対照的にジョコビッチは、シーズン終盤にかけてボリス・ベッカー(Boris Becker)氏から離れていった。6月には全仏オープンで初優勝を飾り、キャリアグランドスラムを成し遂げた29歳の幕切れは、締まりが悪いものだった。

 ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)でつかんだ通算12個目の四大大会(グランドスラム)のタイトルは、生涯グランドスラム達成と同時に、ジョコビッチを通算獲得賞金1億ドルを突破した史上初のプレーヤーにした。

 その後の話題は、ジョコビッチが1969年以来、史上3人目の年間グランドスラムを達成した選手として歴史に名を刻めるかに移ったが、ウィンブルドンで3回戦敗退を喫して不安を露呈させると、続くリオ五輪では復活を果たしたファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)の前に、1回戦で涙をのんだ。さらに、全米オープン(US Open Tennis Championships 2016)決勝でも精彩を欠き、スタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)に敗れた。