【12月14日 AFP】Jリーグ1部(J1)王者の鹿島アントラーズ(Kashima Antlers)が14日、16クラブW杯(2016 FIFA Club World Cup)準決勝で南米王者アトレティコ・ナシオナル(Atletico Nacional、コロンビア)と激突する。

 アジアのクラブとして史上初の決勝進出を果たし、歴史にその名を残したいアントラーズは、同日の試合で勝利した場合、横浜で行われる大一番でレアル・マドリード(Real Madrid)と対戦する可能性もある。

 アントラーズを率いる石井正忠(Masatada Ishii)監督は13日、「選手は少し疲れていると思うが、勢いを維持しながら、あと2試合勝ってシーズンを終えることが目標だ」と意気込みを口にした。

 また石井監督は、日本と世界の差について、「ほしい結果が出れば、人々はアジアは(世界との)差を縮めていると言うだろう」としたうえで、「負けてしまえば、日本はまだ欧州や南米よりはるかに遅れているという評価になる。日本のサッカーのためにも、残り2試合を戦っていきたい」と話した。

 3日に通算8度目のJリーグ制覇を果たした鹿島は、開幕戦でオークランド・シティ(Auckland City FC、ニュージーランド)を2-1で下すと、続く準々決勝では、アフリカ王者のマメロディ・サンダウンズ(Mamelodi Sundowns、南アフリカ)に2-0で勝利して準決勝進出を決めた。

 しかし準決勝では、強豪ナシオナルが待ち受ける。コロンビアの名門クラブは、先日の航空機墜落事故でライバルチームのシャペコエンセ(Chapecoense)が犠牲となったことを受け、一躍注目を集めた。シャペコエンセは、ナシオナルとのコパ・スダメリカーナ(2016 Copa Sudamericana)決勝へ向かう途中、コロンビア第2の都市メデジン(Medellin)近郊の山岳地帯に墜落した。

 7月にはチームをコパ・リベルタドーレス(Copa Libertadores de America)優勝に導いたナシオナルのレイナルド・ルエダ(Reinaldo Rueda)監督は、「ここ数週間が難しい時間だったことに疑いはない。われわれにとって、シャペコエンセは兄弟のようなものだ」と語った。

「彼らの追悼という意味でも、すべてを出し切らなければならない。彼らの夢は無残にも断たれてしまったから、決勝に進出するのは、われわれの義務だ」

 今季すでに80試合以上を戦っているメデジンのクラブは、1989年に出場した同大会でACミラン(AC Milan)に0-1で敗れているが、14日の鹿島戦では分があるとみられている。

 ルエダ監督は、「鹿島は魅力的なサッカーをプレーし、チームとしてうまく機能している。危険なチームだから、気を付けなければならない」と警戒した。(c)AFP/Manuel CABELLO DUJO