【11月8日 AFP】米大統領選をめぐる、インターネットボットによるツイッター(Twitter)への投稿では、共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を支援する内容のものが、民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏支援のものよりも多かった。研究結果が7日、オンラインジャーナル「First Monday」に掲載された。

 今回の研究は、南カリフォルニア大学(USC)のコンピューター科学者らが行った。研究によると投稿件数とボットそのものの数でトランプ氏支持のものが上回っていたという。

 研究では、9月16日から10月21日の間にユーザー約280万人から送信された2000万件のツイートを分析。その結果、うち40万以上のアカウントは「ボットの可能性がある」と推測された。

 ボットアカウントは全体の15%近くに上り、その投稿件数は380万件で、全体の約19%を占めたという。

 ボットが生成したツイートの内容に関しては、トランプ氏側では、ほぼすべてが肯定的なものだったのに対し、クリントン氏側では、約半分が批判的なものだったと論文は指摘している。

 自動生成された投稿やメッセージは、ツイッター上の「トレンド」を歪曲(わいきょく)してしまう恐れがあり、どちらか一方の支持者らが、テレビ討論会で勝利したことを主張する根拠ともなり得る。

 研究チームは、「研究結果が示唆しているのは、ソーシャルメディア上のボットが、民主主義の政治的議論を活発にはせず、逆にマイナスの影響を与える恐れがあるということ。世論を歪曲し、大統領選の厳正さを脅かすことも考えられる」と指摘している。(c)AFP