【11月5日 AFP】ウガンダの高等裁判所は4日、マイクロソフト(Microsoft)創業者で富豪のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏や米フェイスブック(Facebook)の創設者で最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏らが支援する団体が国内で運営している学費の安い私立学校63校の閉鎖を命じた。

 高等裁判所の判事は判決理由として、米国の民間教育事業団体「ブリッジ・インターナショナル・アカデミーズ(Bridge International Academies)」が運営している63校は、学習環境が不衛生で、無資格の人間を教師として採用していることを挙げている。

 今回の判決は、2008年の設立以降、アジアとアフリカの途上国で教育事業を次々に展開し、テクノロジーを用いて安価で標準化された教育を提供してきたブリッジ・インターナショナルにとっては大きな打撃だ。

 ブリッジ・インターナショナルでは、教師がタブレット端末を使用し、用意された原稿を1語ずつ読み上げて授業を行い、生徒の出欠や評価もタブレットに記録するスタイルが取られている。同団体の支援者には、ゲイツ氏やザッカーバーグ氏の財団も名を連ねている。

 ブリッジ・インターナショナルをめぐっては今年、リベリア政府がすべての初等教育を同団体に外部委託する計画を発表したところ教師らがストライキを予告するなど、論争を招いていた。

 しかし、ウガンダでブリッジ・インターナショナルの学校に6人の子どもを入学させたジェームズ・ブラック(James Black)さんは、学期ごとの学費が以前に子どもたちを通わせていた学校の約3分の1の28ドル(約3000円)程度であることを評価し、今回の判決に異議を唱える。

「政府は、学校の設備が不潔だと言っていますが、私が学校に行った時は調理室もトイレも問題ありませんでした」とブラックさんは言う。「ブリッジ・インターナショナルの学校は急激に増えています。政府職員の多くは私立学校を運営していますから、生徒を取られ、受け取る学費が減るかもしれないと脅威に感じているのではないでしょうか」

 ウガンダの生徒数は1万2000人としているブリッジ・インターナショナルは、控訴する構えだ。(c)AFP