【10月28日 AFP】英イングランド(England)、スコットランド(Scotland)、ウェールズ(Wales)における大多数のサッカーファンは、自身が応援するチームが同性愛者の選手と契約を結ぶことは全く問題ないとする意見を持っていることが分かった。

 今回、4000人を対象に調査を行った英国放送協会(BBC)のラジオは、回答者の82パーセントが同性愛者の選手をチームが抱えることを好意的にとらえているとした一方、8パーセントはもしチームが同性愛者の選手と契約を結んだ場合は、サポートすることをやめるとしている。

 さらに、試合中にホモフォビア(同性愛嫌悪)的な声を聞いたというサッカーファンは半数に達し、人種差別的な発言を耳にした割合は59パーセントに上った。そして、71パーセントの人がサッカークラブは、ファンに対して教育を行うべきだとしている。

 また先週、イングランドサッカー協会(FA)のグレッグ・クラーク(Greg Clarke)会長は、とある英下院議員に、自身は選手にカミングアウトすることを推奨しないと話した。

 クラーク会長は、選手がカミングアウトすることに関して「安全」だと感じていない状況を個人的に「恥じている」として、試合中の同性愛嫌悪的な行為は「徹底的に抑え込む」と語っていた。

 しかしながら、文化・メディア・スポーツ委員会で議長を務めるダミアン・コリンズ(Damian Collins)下院議員は、こうしたクラーク氏やFAの態度は改められるべきだと主張する。

 コリンズ下院議員はAFPの電話インタビューで、「FAがするべきことは、同性愛嫌悪について責任を取って、そうしたことは許容されないと主張することだ。グレッグ・クラーク氏の、選手がカミングアウトすることを思いとどまらせる姿勢には不安を感じる。同氏は積極的に告白を促すべきであって、われわれもそうした選手をサポートする」とコメントしている。

「同性愛嫌悪は人種差別と同様に容認されるものではないし、FAは各クラブと協力して、もしクラブ側がファンを制御できないのであれば、制裁を科すべきだ」

(c)AFP/Pirate IRWIN