【10月27日 AFP】イスラエルの考古学者らは26日、ヘブライ語によるエルサレム(Jerusalem)の記述を含む紀元前7世紀の文書を公開した。聖書以外で同地への言及がある文書としては最古のもので、イスラエル当局者はユダヤ教とエルサレムのつながりを示す証拠だと主張している。

 イスラエル考古学庁(IAA)のアミール・ガノール(Amir Ganor)氏はAFPの取材に対し、「イスラエルの考古学の分野で、新約聖書以外で初めてエルサレムという都市がヘブライ語で記されたものだ」と述べた。

 このパピルス文書は死海(Dead Sea)近くで発見され、長期にわたる調査の末、闇取引で売られる直前に密輸業者から押収したという。ガノール氏はこの文書について「ユダヤ人がこの地に2700年前にいたこと」を証明するものだとしている。

 ミリ・レゲブ(Miri Regev)文化・スポーツ相も、今回の発見は「エルサレムがこれまでも、そしてこれからもユダヤ人の永遠の首都である証拠」だと強調した。

 エルサレムをめぐっては、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)が今月18日、イスラエルが東エルサレムにあるイスラム教の聖地「アルアクサ・モスク(Al-Aqsa Mosque)」へのイスラム教徒の立ち入りを制限していると批判する決議を採択。これに対しイスラエルは、決議の中で聖地のユダヤ名に言及していないことに反発し、ユダヤ教とこの地の歴史的な結び付きを否定するものだと非難していた。

 今回のパピルス文書の発表がユネスコとの論争の最中に行われたことについてガノール氏は、密輸捜査の影響で発表が遅れたためで、偶然の一致だと説明している。(c)AFP