【10月17日 AFP】シリアの反体制派は16日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の支配下にあった北部の町ダビク(Dabiq)を制圧したと明らかにした。ダビクはISが終末論的戦いの場所と位置付けていた町で、ISにとって大きな打撃となった。

 在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」やトルコ国営メディアなどによると、制圧はトルコの軍用機や砲撃の支援を受けて行われた。

 アレッポ(Aleppo)県にあるダビクは軍事戦略的な価値はほとんどない。だがイスラム教スンニ派(Sunni)の預言者がキリスト教勢力とイスラム教徒の間で終末の戦いが行われる場所だと述べたことから、ISとその信奉者にとっては西洋に対する闘争の代名詞として思想的に極めて重要な意味を持つ。ISは米国とその同盟諸国による空爆を、現代の「十字軍(Crusaders)」と見なしている。

 動画にはひと気のなくなった町の通りが映され、建物の正面にはISの黒い旗の絵や落書きが残されている。

 反体制派はその後、付近にある複数の村の奪還にも乗り出し、トルコ国営のアナトリア(Anadolu)通信によるとその際の戦闘で反体制派の9人が死亡、28人が負傷した。(c)AFP/Maya Gebeily with Dave Clark in London