【10月10日 AFP】ドーピング違反の処分が短縮され、来年4月のツアー復帰を目指す女子テニスのマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)が、米ネバダ(Nevada)州ラスベガス(Las Vegas)で行われるエキシビションマッチでコートに帰ってくる。シャラポワは10日、シーザーズ・パレス(Caesars Palace)で開催されるWTTスマッシュ・ヒッツ(WTT Smash Hits)に参加する。

 歌手エルトン・ジョン(Elton John)さんとビリー・ジーン・キング(Billie Jean King)氏が主催するイベントは、シャラポワのほかにマルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova)氏やアンディ・ロディック(Andy Roddick)氏らも出場する予定となっており、収益はエルトン・ジョン・エイズ基金(Elton John AIDS Foundation)に寄付される。

 ドーピング検査で禁止薬物のメルドニウム(Meldonium)に陽性反応を示したシャラポワは、2年間の出場停止処分を科されていたが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は4日、同選手の処分を15か月に短縮する裁定を下しており、この決定については賛否が分かれている。

 四大大会(グランドスラム)通算5勝を誇るシャラポワは、ラスベガスで温かい歓迎が予想されており、キング氏はツイッター(Twitter)に「テニス、そしてマリアにとって水に流すことが大切です。彼女のツアー復帰を楽しみにしています」と投稿した。

 ナブラチロワ氏もツイッター上で、「大きな過ちに払う代償も大きい。マリアにとって復帰は簡単なものではないけれど、私たちは彼女がどれだけタフなのかを知っている」とコメントしている。

 一方、香港オープン(Prudential Hong Kong Tennis Open 2016)に出場するサマンサ・ストーサー(Samantha Stosur、オーストラリア)は、「正直に言えば信じられない」とした上で、長期間にわたって使用していた薬物が禁止リストに入ったことに気づかなかったという理由で、シャラポワの処分が軽減されたことには「驚いた」と語った。

 米テニス専門誌「テニス・マガジン(Tennis Magazine)」で、ストーサーはツアーに参戦するほかの選手も同じように感じていると話しており、「選手側から多くの支持が得られることは想像できない」との見解を示している。(c)AFP