【10月6日 AFP】中国が出資し中国企業2社が建設したアフリカ初の電気鉄道が5日、正式に開通し、内陸国エチオピアの首都アディスアベバ(Addis Ababa)と紅海(Red Sea)に面した隣国ジブチの首都ジブチ(Djibout)とを結ぶ新たな輸送ルートが完成した。エチオピア、ジブチ両国の経済にとって大きな起爆剤となる。

 総延長750キロの鉄道は、総工費34億ドル(約3500億円)の7割を中国輸出入銀行(China Exim Bank)が出資。鉄道運営の経験がないエチオピアで人材が育つまで、5年間の契約で、運転士や駅長、技師など運行に関わる全てを中国人が担う。

 アディスアベバ郊外に新設された駅で開かれた開通式典では、エチオピアのハイレマリアム・デザレン(Hailemariam Desalegn)首相とジブチのイスマイル・オマル・ゲレ(Ismael Omar Guelleh)大統領を、中国人鉄道関係者らが出迎えた。

 鉄道はアディスアベバとジブチ港を約10時間で結ぶ。これまで2都市間の物流は9割をトラックなどの道路輸送に頼っていたが、渋滞や道路整備の遅れから片道だけで数日かかっていた。エチオピア鉄道(Ethiopian Railways)の関係者は、「この鉄道はゲームチェンジャー(形勢を一変させるもの)になる」と語り、期待を寄せる。

 中国は道路やダムをはじめ、エチオピアのインフラ開発に大規模な投資を行っている。アディスアベバでは昨年、やはり中国の出資で建設されたサハラ以南アフリカ初の近代的な路面電車(トラム)が開業している。(c)AFP/Karim LEBHOUR