【9月23日 AFP】デンマーク領グリーンランド(Greenland)の氷床がこれまで考えられていたより約7%速いペースで解けていることが、科学者らが今週発表した研究論文で明らかになった。

 米科学誌「サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)」に掲載の論文は、南極(Antarctica)に次いで世界で2番目に大きいグリーンランドの氷床融解による、海面上昇への影響増に懸念を示した。

 2003年から2013年の間にグリーンランドで消失した氷については、これまで2500ギガトン(2兆5000億トン)と考えられていたが、実際には2700ギガトン(2兆7000億トン)だったことが分かった。すなわち氷床の年間消失量は、これまでの推定値よりも約20ギガトン(200億トン)多いということになる。

 論文の主著者である米オハイオ州立大学(Ohio State University)のマイケル・ベビス(Michael Bevis)教授(地球科学)は、7.6%の違いについて、「かなり小さな訂正」と述べる。その上で「グリーンランド全体の推定消失量が大きく変わるわけではない。だが、氷床内で消失が起きてきた場所、今現在消失が起きている場所についてのわれわれの理解により大幅な変更をもたらす」と続けた。

 研究論文によると、グリーンランド地殻下でのマントルの活動によって推量に誤差が生じたという。(c)AFP