【9月17日 AFP】男子テニス、国別対抗戦のデビスカップ(Davis Cup 2016)は16日、ワールドグループ準決勝が各地で行われ、アルゼンチンはファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro)が世界ランク2位のアンディ・マレー(Andy Murray)との5セットマッチを制すなど、前回王者の英国に2連勝し、決勝進出に王手をかけた。

 英グラスゴー(Glasgow)にあるエミレーツ・アリーナ(Emirates Arena)のハードコートで行われた準決勝の第1試合で、デルポトロは6-4、5-7、6-7(5-7)、6-3、6-4でマレーとの激戦を制し、アルゼンチンに勢いをつけた。

 続く第2試合では、マレーの敗戦により重圧がかかったカイル・エドモンド(Kyle Edmund、英国)がタイブレークにもつれた第1セットを先取したものの、その後はパワープレーで圧倒したギド・ペラ(Guido Pella、アルゼンチン)が6-7(5/7)、6-4、6-3、6-2で勝利した。

 クロアチア対フランスの勝者と対戦する11月の決勝に王手をかけたアルゼンチンは、ダブルスが行われる17日か、シングルス2試合が残されている18日に1勝を挙げられれば、最近10年間で4度目となる決勝の切符を確保することになる。

 ホームの英国は、1928年から続いていた対アルゼンチン戦の連敗を止めることが期待されていたが、エースのマレーがデルポトロに敗れたことで、不名誉な記録に終止符を打つことを望んでいた大観衆は、エドモンドの第2試合の前に大きなショックを受けていた。

■キャリア最長の激戦

 キャリア最長となる5時間7分に及んだ激戦を制したデルポトロは試合後、「僕たちにとって重要な勝利となった。本当に疲れたよ。体中がしびれている」と、うれしそうにコメントしていた。

「お互いにかなりハイレベルなプレーで5時間を戦い抜いた。観客も楽しんだと思うし、このような試合に勝てたことは最高だ。まだリオデジャネイロ五輪の余韻は残っているけれど、デビスカップは僕とチームにとって重要な試合で、決勝に進出できることを楽しみにしている」

 一方、ホームで行われたデビスカップでの初黒星を喫したマレーは、デルポトロとの実力差は感じなかったと振り返り、「すごく良い勝負だった。このスポーツではどちらに転ぶか分からない展開になることがよくあるけれど、この試合も両者の力に差はなかった」と語った。

「今日は自分でも最高のできだったと思う。全力ですべてのポイントに挑んだけれど、そうするのが精いっぱいだった」

 17日のダブルスでは、兄のジェイミー・マレー(Jamie Murray)とペアを組む予定のマレーだが、体力を回復させる時間は少なく、当日の朝までに出場の可否を決めなければならない。マレーは「あれほど長い試合を経験したことがないから、どれだけ回復できるか分からない。明日の朝に目覚めてから状態を確認し、決めることになると思う」と語った。(c)AFP/Alistair WATSON