【9月15日 AFP】男子テニスの国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2016)で英国のアンディ・マレー(Andy Murray)は、準決勝のアルゼンチン戦を制して2大会連続で決勝進出し、自身最高のシーズンをより良いものにしたいと考えている。

 今シーズン、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)で自身2回目の優勝を果たして、リオデジャネイロ五輪では金メダルを獲得し、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2016)と全仏オープン(French Open 2016)でも決勝に進出している29歳のマレーは、フランスとクロアチアの勝者と対戦する11月の決勝に進出し、絶好調の今季を締めくくりたいという。

 全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)の準々決勝で敗れるまで、7大会連続で決勝進出を果たしていたマレーは、「ここまではキャリア最高のシーズンが送ることができている。これを続けたい」と語る。

「(全米が行われた)ニューヨーク(New York)の後、数日間オフを取ってグラスゴー(Glasgow)入りし、11日から既に練習をしている。このデ杯が終わったら少し休む予定だから、今週末もう一踏ん張りしたい」

「昨年末はデ杯が僕らの最優先事項だったけれど、今年に入ってからは、優勝を期待していなかったと思う。でも、(決勝に)近づいていくにつれて、この機会をうまく生かしたい、もし可能なら今年も優勝したいと思うようになった。難しくはなるが、出る試合はすべて勝ちたい」

 英国は世界ランキング2位のマレーの他に、ダニエル・エヴァンス(Daniel Evans)、カイル・エドモンド(Kyle Edmund)、ジェイミー・マレー(Jamie Murray)、ドミニク・イングロット(Dominic Inglot)が代表入りしている。

 昨年大会で英国を1936年以来となる優勝に導いたマレーは、全米オープンの男子ダブルスで今季2回目となる四大大会(グランドスラム)優勝を果たした兄ジェイミーと組んでダブルスに出場し、3日間すべてプレーすることが予定されている。

 また、全米オープンではエドモンドが男子シングルスで4回戦進出、またエヴァンスも3回戦に進出する活躍を見せたことで、英国のレオン・スミス(Leon Smith)監督は、2人目のシングルスプレイヤーの選択に頭を悩まされることになる。

 敵地ベオグラード(Belgrade)で行われた準々決勝で英国は、エドモンドがシングルスで2勝、イングロット/ジェイミー・マレー組がダブルスを制し、3-2でセルビアを下して準決勝に駒を進めていた。

 一方のアルゼンチンは、直近の2011年大会を含め通算4度の決勝進出を果たしているもののこれまで一度もトロフィーを手にしたことはないが、ファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro)の復帰が非常に大きなものになっている。

 アルゼンチンは英国とのワールドグループ直近3戦で全勝しており、英国唯一の勝利は1928年にまでさかのぼる。早ければ初日の16日に、リオ五輪決勝の再現となるマレー対デルポトロの顔合わせが見られる可能性もある。

 手首に3度の手術を経験し、過去4年間デ杯のシングルス出場から遠ざかっているデルポトロは、7月に行われたイタリアとの準々決勝でもダブルスのみの出場だった。しかし、その後のリオ五輪では決勝進出、全米オープンでもベスト8に入るなど好調だ。

 デルポトロは、「自分の試合の感覚を再びつかんだと思う。デ杯に出られることは本当にうれしいし、興奮する。母国のためにまた準決勝を戦うなんて信じられない。監督はこれから初日に誰がアンディと試合をするか決めることになるが、私たちは皆準備万端だ」と意気込みを口にする。

 一方のマレーはデルポトロについて、「彼が体調的に万全の時は、世界で最も強い選手の一人だ。ここ数か月は本当に良いプレーをしている」とコメントした。

 アルゼンチンはデルポトロに加えて、世界ランキング41位のフェデリコ・デルボニス(Federico Delbonis)、同49位のギド・ペラ(Guido Pella)、そしてレオナルド・メイヤー(Leonardo Mayer)の布陣で挑む。(c)AFP