【9月15日 AFP】男子テニスの国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2016)、ワールドグループ・プレーオフのスロバキア戦を控えるオーストラリア代表は15日、臀部(でんぶ)のけがから復帰したニック・キリオス(Nick Kyrgios)を招集した。そのキリオスは、同国代表のバーナード・トミック(Bernard Tomic)との関係を修復したようだ。

 気分屋として知られる豪ナンバーワンのキリオスは、トラブルメーカーのトミックと確執が指摘されてきたが、来年の大会で優勝を狙うため、ワールドグループ残留へ向けて団結することで一致した。

 全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)で臀部の故障を理由に棄権したキリオスは、今回のワールドグループ・プレーオフで3年ぶりにトミックと同じチームでプレーすることになる。

 16日の初戦で、世界ランキング15位のキリオスはアンドレイ・マーティン(Andrej Martin)と、そして世界ランキング21位のトミックはヨゼフ・コバリク(Jozef Kovalik)との対戦が決まった。スロバキアの両選手は同ランキングでともに100位以下となっている。

 また、翌17日はダブルスのスペシャリストであるオーストラリアのサム・グロス(Sam Groth)/ジョン・ピアーズ(John Peers)組がマーティン/イゴル・ゼレナイ(Igor Zelenay)組を迎え撃つ。18日のシングルスは、初日の組み合わせを逆転させて行われる。

 キリオスとダブルスを組むこともあるトミックは、今回同選手とともに戦うことが楽しみだという。両選手は、今年初めに行われたデビスカップの期間中に口論を起こしていた。

「ここ数日は良い経験ができている。16日からニックとともに戦うことになるが、とても興奮している」と話すトミックは、「去年の経験がある。英国との準決勝まで行って、チャンスがあった。このメンバーでデ杯のチャンピオンになるよりうれしいことはない。僕だけでなく、チーム一丸とならなくてはならない」と抱負を語る。

「勝ち抜く準備はできているが難しい課題でもある。いつか優勝したいと思う」

 3月に行われたデ杯米国戦の際には、トミックが欠場するためキリオスは仮病を装っているとして非難すると、キリオスもその後ソーシャルメディア上で反論していた。

 キリオスは、「良い仕事をして、ワールドグループに残留したい」と抱負を語る。また、同国を率いるレイトン・ヒューイット(Lleyton Hewitt)監督は、もし今回勝利することができれば、来年に向けた礎になると話している。

 デ杯で初めて顔を合わせる両国の対戦の勝者は2017年のワールドグループ出場が決まり、敗者はアジア・オセアニアゾーン1部でプレーすることになる。

 オーストラリアはこれまでデ杯で通算28度優勝し、米国についで2番目の成績を誇るが、トロフィーからは13年遠ざかっている。(c)AFP