【9月8日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)、男子シングルス準々決勝で大会第6シードの錦織圭(Kei Nishikori)に敗れたアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は7日、試合会場のアーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)に設置された音響システムの不具合による、不気味なゴングの音が黒星の原因ではないと語った。

 2012年大会(US Open Tennis Championships 2012)覇者で、今年はウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)とリオデジャネイロ五輪も制しているマレーは、約4時間の一戦で6-1、4-6、6-4、1-6、5-7と逆転負けを喫した。

 世界ランク2位のマレーは、セットカウント2-1とリードを奪って試合の主導権を握り、迎えた第4セットは第3ゲームでなんとかブレークポイントを手にしたものの、プレーの途中で突然ごう音が鳴り響くアクシデントに見舞われた。耳をつんざくようなこの騒音は、降雨のため第2セットから屋根が閉められていたスタジアム中にこだました。

 審判の指示でポイントがやり直されたことにいら立ちを露呈したマレーは、落ち着きを失ってそこから連続で7ゲームを落とした。動揺を隠せない様子のマレーは、大会審判のウェイン・マキューン(Wayne McKewen)氏を呼び、苦情を訴えていた。

 通算9回目となる錦織との直接対決で2敗目を喫したマレーは、「ウェインによれば、この試合中にスピーカーからあのような音が鳴り響いたのは4回だったらしい。でも僕に聞こえたのは、ほかに第2セットのセットポイントで鳴った1回だ。それだけだ」とコメントした。

 マレーは自分が一時的に冷静さを失ったせいで、2年前の全米オープンでファイナリストになった錦織を有利にしてしまったと認めた。これで錦織は、同大会でトップ10選手を破るのは5回目となった。

「チェンジエンドの後、自分のプレーが乱れてしまい、反対に彼が波に乗って4-1となったのは確かだ」と語ったマレーは、「だけど、その後については音のせいじゃない。自分がリードしていた場面で、いくつかサーブをミスしてしまった」と敗因を分析した。

 両選手合わせて17回のブレーク合戦となり、そのうち5回を記録した最終セットでは、錦織が4-2とリードした。マレーも反撃して3ゲームを奪い返したものの、48本のウイナーを記録した錦織が、見事な勝利を飾った。(c)AFP/Dave JAMES