【9月5日 AFP】サッカー韓国代表の寄誠庸(Sung-Yueng Ki、キ・ソンヨン)が、巨額の資金を駆使して海外選手を獲得している中国スーパーリーグの存在は、必ずしも同国代表の成功を保証するものではないと語った。

 イングランド・プレミアリーグのスウォンジー・シティ(Swansea City)に所属する寄は、1日に行われた2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)アジア最終予選で韓国が3-2で中国に勝利した試合の後、莫大な資本で補強をすすめる中国リーグはアジアサッカーのレベルを高めることに貢献していると述べたうえで、海外のスター選手を擁する同リーグが、習近平(Xi Jinping)国家主席や国内のファンが望むような、代表チームの国際舞台での成功に導くわけではないと語った。

 今夏の移籍市場では、イタリア代表のグラツィアーノ・ペッレ(Graziano Pelle)が世界屈指の移籍金でプレミアリーグのサウサンプトン(Southampton FC)から中国リーグの山東魯能(Shandong Luneng)へ移籍している。

 寄は、「中国のサッカー界で大きな投資が行われていることは、アジアサッカーの発展やスーパーリーグにとっても良いことだ」としたうえで、「海外の有名選手と契約することは、国のサッカーを成長させる保証にはならない。プレミアリーグでも世界中から来た多くの選手がプレーしているが、イングランド代表の結果が良いものであるわけではない」と語る。

 各クラブが今夏の移籍市場でおよそ11億7000万ポンド(約1600億円)を投じたプレミアリーグは、他のトップリーグの存在をかすませたが、イングランド代表は主要国際大会で50年近く決勝から遠ざかっており、今年の欧州選手権(UEFA Euro 2016)でも小国アイスランドに決勝トーナメント1回戦で敗れるなど苦戦が続いている。

 W杯出場が2002年の日韓大会(2002 World Cup)の1度のみにとどまっている中国代表にとって、今回の韓国戦での敗戦はロシアW杯出場に向けて打撃となったが、0-3でリードされた状況から最終的に1点差まで追い上げたというポジティブな側面もある。

 韓国代表のウリ・シュティーリケ(Uli Stielike)監督は、「簡単な試合を難しいものにしてしまった。中国代表に2点目を取られ、慌ててしまった」と振り返る。

 一方、中国代表の高洪波(Hongbo Gao、コウ・コウハ)監督は、「今回のパフォーマンスから自信を得ることができる。彼らはわれわれより経験が豊富だが、試合終盤に追いつこうとする決意や前に進もうとする気迫をみせることができた。こうしたことがわれわれを強くするだろう」と振り返った。

 また6日の次戦ホームで行われる強豪イラン戦に向けては、「すでに強豪と対戦し、次はもう1つの強豪国イラン戦が控えている。試合そのもの、そしてホームのファンにわれわれが何をできるのかを示すのが楽しみだ」と期待を口にした。(c)AFP