【8月19日AFP】リオデジャネイロ五輪のレスリング男子に出場予定だったインドの選手が18日、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定によりドーピング違反による4年間の資格停止処分が確定したため、五輪から追放された。

 19日のフリースタイル74キロ級に出場する予定だったナルシン・ヤーダブ(Narsingh Yadav、インド)について、CASはインド反ドーピング機関(NADA)に対する世界反ドーピング機関(WADA)の訴えを支持した。同選手は先頃行われた検査でアナボリック・ステロイド(anabolic steroid)の使用が2度発覚していたにもかかわらず、NADAの処分を免れていた。

 CASは声明で、「2016年6月25日と7月5日に行われた検査で、いずれもメタンジエノン(methandienone)の陽性反応が発覚しながら、ヤーダブの処分を免除したNADAの裁定に対し、WADAはCASの臨時出張所に緊急の申し立てを行った」と公表。

「CASは、自分が妨害工作の犠牲者であるとする選手の主張を認めず、さらに同選手には何の落ち度もなく、反ドーピング規則への違反も意図的でなかったとする証拠は何もなかったと指摘する」

 ドーピング検査の失格により、この日リオ五輪を追放されたのはヤーダブで4人目となった。

 自転車ロードレースのクレベル・ラモス(Kleber Ramos、ブラジル)は赤血球を増加させるエリスロポエチン(EPO)「セラ(Cera)」、競泳の陳欣怡(Chen Xinyi、中国)は利尿薬「ヒドロクロロチアジド(hydrochlorothiazide)」の使用が発覚して失格処分となった。

 一方、重量挙げ男子69キロ級で銅メダルを獲得したキルギスのイッザト・アルティコフ(Izzat Artykov)も、興奮剤のストリキニーネ(strychnine)で陽性となり、資格停止処分が下された。(c)AFP