【8月19日 AFP】リオデジャネイロ五輪、ボクシング男子バンタム級の準々決勝で、世界選手権王者のマイケル・コンラン(Michael Conlan、アイルランド)に対する判定勝ちを収め物議を醸していたヴラジーミル・ニキーチン(Vladimir Nikitin、ロシア)が、コンランとの試合で受けたけがを理由に18日の準決勝を棄権した。

 今回のニキーチンの棄権は、リオ五輪中に少なくとも2度不可解な判定があったとして、選手やトレーナーから批判が集まっている国際ボクシング協会(AIBA)に、さらに圧力をかける形になった。

 16日の準々決勝では、ボクシング専門家の間でコンラン勝利の見方が多数だったにもかかわらず、ジャッジが全員一致でニキーチン勝利の判定を下し、コンランが激怒していた。

 一方、勝利したニキーチンは、顔から大量に出血していた。ロシア選手団のイゴール・カジコフ(Igor Kazikov)団長は「検査の結果、けがの程度があまりにも深刻だということが判明したため、残念ながら試合を続けられなくなった」と語った。

 この結果、ニキーチンの銅メダル獲得と、準決勝で対決するはずだった米国のシャクール・スティーブンソン(Shakur Stevenson)の決勝進出が決まった。

 20日の決勝では、ロベイシ・ラミレス(Robeisy Ramirez、キューバ)とムラドジャン・アフマダリエフ(Murodjon Akhmadaliev、ウズベキスタン)のいずれかがスティーブンソンと対戦する。

 AIBAは17日、求められるレベルに達していなかった判定があったとして、数人のレフェリーとジャッジがリオデジャネイロ五輪から除外されたと発表。コンラン対ニキーチンの試合を担当したジャッジ3人のうち、少なくとも2人が除外対象には含まれていなかった。(c)AFP