【8月13日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は12日、中央アフリカでコレラが5年ぶりに流行し、これまでに少なくとも感染患者16人が死亡したと述べた。

 ユニセフは、中央アフリカ政府が今月10日にコレラ流行を宣言して以降、同国のウバンギ(Oubangui) 川流域で66例の発生が報告されていると述べた。同国政府は9日、コレラにより10人が死亡したと発表していた。

 菌に汚染された水を飲むことから感染するコレラは、急性の下痢など引き起こす伝染病。ユニセフの中央アフリカ代表、モハメッド・マリック・フォール(Mohammed Malick Fall)氏は、「幼い子供、特に5歳以下の子供はコレラに感染しやすい」と述べた。

 今回の流行は首都バンギ(Bangui)からウバンギ川の約100キロ上流にある遠隔地域で始まったもの。ユニセフは声明で、「この地域に住む人々は、浄化された水へのアクセスがほとんどなく、ウバンギ川を主な水源として利用している」と説明した。

 ユニセフは同地域の住民たちに医薬品や浄化された水、必要な備品などを提供していると述べた。また「コレラに感染した人々が混雑した船でウバンギ川を移動したため、菌が下流に運ばれた」と付け加えた。

 中央アフリカでは2011年にもコレラが流行し、首都周辺で約20人が死亡していた。世界最貧国の一つに数えられる同国は、2013年から2年間続いたイスラム教徒を主とする武装勢力連合「セレカ(Seleka)」とキリスト教徒の「反バラカ(anti-balaka)」と呼ばれる民兵組織の激しい紛争から未だに立ち直れていない。

 国連(UN)によると、中央アフリカではこの紛争により数千人が死亡し、数十万人が自宅からの避難を強いられたという。(c)AFP