【11月28日 AFP】アフリカ東部タンザニアで今年8月からコレラが大流行しており、これまでに少なくとも9871人が感染し150人が死亡したと、世界保健機関(WHO)が27日発表した。タンザニアでは雨期を迎えて洪水の発生が予想されることから、WHOは他国への感染拡大に懸念を表明している。

 WHOの先月の統計ではタンザニアのコレラ感染者は4922人、死者は74人で、いずれも過去1か月間で倍増した。

 スイス・ジュネーブ(Genava)で記者会見したWHOのファデラ・シャイーブ(Fadela Chaib)報道官によると、最大都市ダルエスサラーム(Dar es Salaam)で特に流行がひどく、感染者数は約4500人に上っているという。

 コレラは飲料水の汚染などにより感染し、激しい下痢を引き起こす。流行はザンジバル(Zanzibar)諸島の2島を含むタンザニア全土に拡大している。

 シャイーブ報道官は、水道水の塩素消毒処理や感染地域の監視といった対策により、日々報告される感染者数は減少していると強調。その上で、強いエルニーニョ(El Nino)現象の影響で迫り来る雨期のもたらす降雨量が例年より多く、洪水も規模が大きくなると予想されるため「感染が国際的に拡大する」恐れがあると指摘した。

 アフリカ東部では1990年代後半にコレラが大流行し、4か国で約20万人が感染、約8000人が死亡した。タンザニアでは4万人以上が感染したが、当時も強いエルニーニョが発生していた。(c)AFP