【8月9日 AFP】リオデジャネイロ五輪、体操男子予選の跳馬で着地に失敗し、左脚2か所を骨折する大けがに見舞われたフランスのサミル・アイ・サイド(Samir Ait Said)が、緊急手術後に投稿した動画で、4年後に控える東京五輪への出場を目指すと宣言した。

 26歳のアイ・サイドは、6日の跳馬の競技中に不自然な形で着地し、左脚下部の脛骨(けいこつ)と腓骨を骨折した。リオ・オリンピック・アリーナ(Rio Olympic Arena)のマットに倒れたアイ・サイドは左ひざの裏を押さえながら苦痛にうめき、見た目にもはっきり折れ曲がった脚に観客はおののいて息をのんだ。

 アイ・サイドは動画で、「すべてのサポートの言葉に感謝したい。すごく励まされ、士気が高まった」と語っている。「すぐ手術を受ける必要があったけど、とてもうまく行った。回復にはそんなに時間はかからない」という。

 また今大会残り期間中は、個人総合やあん馬で決勝進出を決めたフランス代表のチームメートを応援するため、会場で応援すると宣言。フランス国旗色のギプスを見せながら、「この青・白・赤のギプスで応援しているよ。アレ・ラ・フランス(がんばれフランス)!」と声援を送った。

 フランス体操連盟(FFG)の医療チーム関係者は、アイ・サイドの回復について、「けがの種類や、施された外科治療の質や速さを考えれば、しっかり回復する見込みだ。競技復帰にそこまで時間はかからないだろうと楽観している」と述べた。

 アイ・サイドは、得意種目のつり輪で決勝進出を決め、メダル獲得を期待されていた。五輪での棄権は、左ひざを負傷したロンドン五輪に続く2大会連続となったが、東京五輪で夢の実現を目指すと宣言している。

「まだ東京五輪に挑戦できる。回復し次第、練習を再開して、金メダルを目指すつもりだ」